家族の気配が感じられる工夫

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家全体を緩やかにつなげる
 同じ屋根の下にいながら、各自が個室にこもって孤立している。近年、問題になっているこんな状態を避けるためにも、家づくりにあたっては、家のどこにいても家族が何をしているのかわかるような工夫が欲しいもの。小さい子どもが親の見ている場所で遊びたがるように、家族の温かな気配は子どもに安心感を与え、信頼しあっている人と暮らしているという実感をもたらすはず、子どもに個室を与える場合でも、子どもがどんな状態なのか、感じ取れるようにしておきたいという、親側の本音もあるでしょう。思春期を迎え、親との直接的なコミュニケーションを好まない年ごろになれば、なおさらです。「そのためには、家全体をひとつの大きな空間ととらえてみるといい。重心たるリビングを中心に、寝室や子ども部屋が、緩やかにつながっているイメージです。たとえば、どの部屋に行くにも必ずリビングを通るような間取りにし、空間を共有していれば、正面切って会話をせずとも、コミュニケーションは成り立ちます。

さりげなく光や音を伝える
 とはいえ、すべてが開けつぴろげというわけにはいきませんから工夫が必要です。視界は遮ってプライバシーを守りつつも、音や光を介して、さりげなく気配が伝わるような仕掛けがベストです。具体的にはリビングを通って上る階段などのほかにも、リビングに大きな吹き抜けをつくり、家族それぞれの個室とつながるようにする。防音性の高いドアではなく、引き戸を多用するなどの方法があります。ドアや壁などの上部に開口部をつくって空間をつなげたり、細長い窓であるスリットや高窓を設けて、光がもれるようにしておくだけでも違うもの。どの方法も、「見られている」という意識を持たせることもありません。
 子ども部屋にしても、勉強に集中させたいと完全な個室にこだわるより、「いま、勉強中だから昔を立てな
いように気をつけよう」と、家族みんなで配慮する。ドアを開ける勢いや階段を上る足音で、「あ、何かいいことあったのかな」「ぐあいが悪いのかな」と、察せられる。それは、子どもを監視するという意味合いでは決してなく、家族みんなのコミュニケーションの始まりであり、思いやりの心が育つ格好の機会であるともいえるのです。
同じ屋根のしたに暮らす家族とのコミュニケーションをどのようにとるのかを考える必要があります。